外壁のメンテナンスは、建物の寿命を左右する重要な作業です。
その中でも、意外と見過ごされがちなのが「外壁幕板」です。
目立たない部分ではありますが、実は雨漏りなどの原因にもなりかねません。
今回は、外壁幕板の役割や材質、劣化の原因、そして適切なメンテナンス方法について解説します。
外壁幕板の現状に不安を感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
外壁幕板は、一般的に1階と2階の境目、もしくは屋根と外壁の境目に設置される横長の板です。
建物の外壁の一部を構成し、帯板、胴差、化粧板などとも呼ばれています。
設置されている住宅は全体の約4分の1と言われています。
主な役割は美観の向上です。
異なる外壁材を使用する際の境目を隠したり、ツートンカラーのデザインにアクセントを加えたりするなど、建物の外観をより魅力的に演出します。
また、1階と2階を繋ぐ梁(はり: 建築物の安定性と強度を確保する重要な役割を果たす)の揺れを分散させる機能も持ち合わせています。
サイディングを直接繋げると揺れで割れる可能性がありますが、幕板がその衝撃を和らげる役割を果たすのです。
ケイ酸カルシウム、アルミ、複合樹脂など、様々な材質が使用されています。
多くの場合、外壁材と同じものが使用されます。
例えば、外壁が窯業系(ようぎょうけい)サイディングであれば、幕板も窯業系サイディング製となります。
外壁幕板は外壁材よりも突出しているため、雨水や紫外線などの影響を受けやすく、劣化しやすい傾向があります。
雨水が溜まりやすく、それが内部に浸入することで腐食や雨漏りを引き起こす可能性があります。
また、ビスの錆による腐食や落下といったリスクもあります。
劣化症状としては、塗膜の剥がれ、ひび割れ、シーリングの劣化、腐食、ビスの錆などが挙げられます。
手で押してみて簡単に凹むようであれば、下地が腐っている可能性があります。
シロアリ被害にも注意が必要です。
劣化状態に応じて、塗装、コーキング補修、幕板交換、板金カバー工法といったメンテナンス方法が選択されます。
塗装は剥がれた塗膜をケレン作業で除去し、再塗装することで行います。
コーキング補修は、ひび割れや剥離したシーリングを撤去し、新しいシーリング材を充填する作業です。
幕板交換は、腐食した幕板を撤去し、新しい幕板と防水シートを設置します。
板金カバー工法は、既存の幕板の上に金属板を被せることで補修する工法です。
メンテナンス費用は、作業内容によって大きく異なります。
塗装は比較的安価ですが、交換や板金カバー工法は高額になります。
費用を抑えるためには、定期的な点検による早期発見と、外壁塗装と同時施工が有効です。
5年を目安に専門会社による点検を行うことをお勧めします。
特に、上部は点検が難しい部分なので、定期的なチェックが重要です。
三角コーキングは、雨水が幕板の上部に溜まるのを防ぐ効果があり、劣化を抑制する上で有効な予防策です。
今回は、外壁幕板の役割、材質、劣化原因、そしてメンテナンス方法について解説しました。
幕板は、美観だけでなく建物の構造にも関わっている重要な部分です。
定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばし、費用を抑えることに繋がります。
劣化症状が見られた場合は、専門会社に相談することをお勧めします。
三角コーキングによる雨水対策も忘れずに行いましょう。
早めの対処が、大きな修理費用を避けることに繋がります。
ご自身の家の外壁幕板の状態を改めて確認し、必要に応じてメンテナンスを検討してみてください。
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